女性たちがテック業界に抱く期待と乗り越えるべき壁をブッキング・ドットコムが世界規模の調査で発表
77%の女性はテック業界で成長と成功を掴むのが男性よりも未だに困難だと回答!魅力的なテック業界を目指す次世代の女性の存在が、業界に変革をもたらす!
【2018年10月12日、日本発表】
世界最大級の規模を誇る旅行関連のEコマース会社であり、デジタル・テクノロジーの先駆者である Booking.com (ブッキング・ドットコム)の日本法人 ブッキング・ドットコム・ジャパン株式会社(本社:東京都港区 代表:アダム・ブラウンステイン 以下:ブッキング・ドットコム)は、テック業界に根付くジェンダー・ダイバーシティの問題と、業界でのキャリアチャンスに関する女性たちの体験と意識を理解すべく、テック業界に従事する女性と業界でのキャリアに関心を寄せる女子学生を対象に世界規模で行われた調査結果を発表いたします。
本調査を通じ、全世界の女性たちはテック業界に魅力を感じているうえ、業界での可能性を好意的に捉えている半面、 採用の過程にジェンダー・バイアスがあることや、現在の業界の男女比が偏っていること、そして決定権を持つ女性職員や傑出したロールモデルが不足していることを主なハードルだと感じていることが判明しました。
テック業界で働く全世界の女性とこの分野に興味を持つ女子学生の64%は、「女性であることがテック業界でのキャリアを追うことに良い影響を与えていると感じる」と回答。このようなポジティブな認識を彼女たちが抱くのは、一般的にも認知されている業界での女性不足(34%)によるところが大きく、現状をチャンスとして捉えています。
女性がテック業界に惹かれる理由としてイノベーション(50%)やクリエイティビティ(44%)、やりがい(26%)、そして自らを成長させる機会の多さ(34%)などが挙げられていることから、多くの女性にとってこの業界で職を得ることは「夢のような仕事」や理想的なキャリアを掴むことを意味していることが分かります。また、全世界の女性にとって「夢のような仕事」の条件は、やりがいがあること(84%)、元々持っているスキルに合っていること(83%)、そして自分の道を切り拓いていけること(81%)だということが、本調査で明らかになっています。
採用過程でのジェンダー・バイアスや傑出した女性のリーダー不足が、テック業界での女性の可能性を依然として狭めている現状
テック業界の魅力と可能性は認識されているものの、世界の女性たちは業界に足を踏み入れることを未だに躊躇しており、女性であることがこの業界でのキャリアパスの重要な局面で不利に働くと感じていることが判明。彼女たちの道を阻むハードルとして、テック業界が男性優位な環境となっていること(52%)、採用過程においてジェンダー・バイアスがあること(32%)が挙げられています。
採用過程でのジェンダー・バイアスについての認識は労働市場によって異なり、ブラジルでは女性の59%がジェンダー・バイアスがテック業界での就職に悪影響を及ぼしていると感じる一方、 オランダでは18%、イギリスとドイツでは22%と、ヨーロッパ諸国では同様に感じる女性の数は比較的少ないという結果となっています。
全世界の女性の32%は、「決定権を持つ女性職員が不足している現状がテック業界での女性の可能性を狭めている」と感じており、特に女子高校生の40%にとって大きな不安要素となっています。この状況が、全世界の女性の78%が「業界に加わること自体が困難だと感じる」こと、そして77%が「特定部門で成長、成功するのは難しいと考えている」ことに関係していると考えられます。
「女性たちの存在は、今もなおテック業界で注目を浴びていません。弊社の調査が明らかにしたのは、女性の前に立ちはだかる最も大きな障壁、つまり革新すべき部分が一体何なのかという点です」と語るのは、ブッキング・ドットコムのCEOであるギリアン・タンズ。「世界中の女性たちが抱く、IT業界で成功を収めたいという意欲と業界に対する期待には感銘を受けるばかりです。特に、自らの将来への想いを燃やす若い世代の女性たちがテック業界でのキャリアに挑もうとする姿には、勇気をもらえます。」
ギリアン・タンズは続けて、「テック業界で真の意味で成功を収めるよう女性を後押しするには、業界全体が前に進むために行動を起こす必要があります。女性のロールモデルをより前面に出しつつ採用過程にも影響しているジェンダー・バイアスを取り除き、この産業の魅力はもちろん、一般社員から最高責任者までのすべての役職において女性に活躍の場があることをアピールする取り組みを行っていくことが大切でしょう。」と述べました。
魅力的なテック業界を目指す次世代の女性たちの存在がもたらす、変革のチャンス
才能にあふれた若者たちがテック業界を目指していること、そしてジェンダー・ギャップ排除に向けてまず始めるべきことを再確認した、今回のブッキング・ドットコムによる調査。世界的に見て、特に女子高校生(43%)と女子大学生(40%)はテック 業界でのキャリアで自らのクリエイティビティを自由に活かせると感じていると回答しています(世界全体の平均は33%)。特に女子高校生は、若年者でも成功する機会があること(女子高校生は29%がこのように回答したのに対し、テック業界で経験のある女性は20%)、そしてキャリアパスを自ら形成できること(女子高校生は30%のところ、テック業界で経験のある女性は22%)からテック業界を志望していることが分かりました。そして何より、自分が決めたキャリアでやりがいを持って働きたいと感じている女子学生は多い(女子高校生は88%、女子大学生は85%)ことが明らかとなっています。
実際にIT産業は女子学生たちの期待に答えられる業界ではあるものの、女性登用に関してはまだまだ改善が必要とされています。自分の能力を活かせる場で活躍したいという女性の意欲を駆り立てつつ、女性たちの前に立ちふさがる壁を排除することで、多大なる利益がIT企業や業界全体にもたらされることでしょう。
「テック業界には、全世界の女性にとっての「夢のような仕事」の条件を満たすキャリアを提供できるだけの計り知れない可能性が秘められています」と話すギリアン・タンズ。「この可能性を開き、テック業界へとより多くの女性を加えることは、教育や企業責任、社会開発や政府の取り組みなど様々な分野が目指すべき目標です。将来的にテック業界が多彩な人材をバランス良く集めていくためには、少女たちがSTEM(科学・技術・工学・数学の総称)に対して良いイメージを持てるよう、学校教育において各分野が連携し、女性たちを根気強く導く必要があるのです。」
テック業界でのジェンダー・ギャップを埋める鍵は、学校教育と親の指導
幼少期の学習と教育は、その後の女性のキャリア選択に大きな影響を与えるということが調査で明らかになっています。世界中の女性のうち、学校や高等教育で得たスキルがキャリア選択に影響を与えたと回答したのは79%、研究した分野による影響が大きかったと答えたのは77%に上ります。特にインドと中国では、親と同じキャリアを追う女性が多く(世界平均40%に対し、それぞれ64%、52%)、キャリアに関する情報を得る際、インドと中国の女性は所属しているテック関連の団体(例:Girls Who Code)を頼る傾向にあることが分かりました(世界平均20%に対し、それぞれ27%、36%)。これらの発見から、西洋諸国よりもアジア諸国の方が女子学生のSTEM教育の参加率および卒業率が高い[1]ことと、テック業界の男女比を改善するには幼い頃からの働きかけが重要であることが理解できます。
[1] - 世界経済フォーラム、 Human Capital Report 2016: http://reports.weforum.org/human-capital-report-2016/
※調査概要
ブッキング・ドットコムによって、世界10ヶ国(イギリス、アメリカ、フランス、ブラジル、オランダ、ドイツ、中国、オーストラリア、インド、スペイン)で6,898名を対象に独自に行われたものです。調査はオンラインアンケートで2018年8月2日~9月6日実施しました。